非常識超越平和理論(仮説と検証)10.非常識幸福度最適についての検証
仮説検証の目的:非常識効用が最大化さると非常識幸福度増大効果最大化が起き、それがつまり非常識幸福度最適になる。そのプロセスの一端についてあらためて検証する。
ポイント:非常識均衡における非常識効用最大化は最大限の制約なき非常識幸福度増大効果最大化がはかられるため、本来の意味での非常識幸福度最適となる。しかし、仮の非常識均衡における非常識効用最大化はその制約の下における非常識幸福度増大効果最大化となるため、非本来的の意味での非常識幸福度最適となる。
方法:前回と同じく非常識効用最大化の計算を振り返りつつ、経済学のパレート最適の意味についても考えつつそれと対比させながらその違いを明確にしていき(経済学とは似て異なる概念)最終的に、非常識幸福度最適とは何か?を明らかにする。
前回の仮説検証の記事同様、イベントAとイベントBの事例からまず見ていくこととする。
例えば、肯定的非常識であるイベントAとイベントBはともに定量化できないものでどちらも肯定的非常識として1として計上されていたとする。
これらについて経済学の効用最大化=消費の最適解の概念をベースに応用して以下のような式で算出できることが判明した。
<非常識効用最大化の条件>
予算線の傾き=非常識限界代替率=非常識限界効用の比率
-Pa/Pb=-db/da= MNCUa / MNCUb
この数式によって、イベントAとイベントB開催のために使える最大限の予算内において、世間の人たちがどれだけの割合(規模や日数など)でイベントAとイベントBが開催されれば非常識効用が最大化されるかが算出される。
ここでいう、世間というのは国全体とか世界全体とか大げさな大人数のことを指すのではなく、例えば統計が取れる範囲内のこのイベントA,Bに参加するであろう人たちからアンケートなどを実施して調査するものである。まったくこのイベントに興味のないものまで対象にしても、そも
そも参加する意思がないのだから、そのような人たちまで調査対象にしても意味がない。
そして、このイベントが地域のイベントなら地域内の人たちが統計の対象サンプルになるだろうし、日本全国規模レベルの行事なら全国民が対象になるだろうし、世界イベントならば全世界の人口が対象となる。しかし、統計学は母集団を無限に設定することは不可能なため、あくまでもっと少ない人数を調査対象として分析した結果、そのデータを元に母集団を推測する方法を取る。
経済学入門レベルの消費者効用の最大化の条件は、せいぜいある1人の人物の商品Aと商品Bなどの二つのモノやサービスを対象に好みや選好について分析しているだけだが、この非常識効用の場合は対象人数が限りなく多いため、どのようにして無差別曲線を描くのかが問題となる。
この点については、経済学入門レベルの本の知識だけでは明確な方法を導き出せないため、あくまでその対象者たちの平均を算出したものでカーブを描いた無差別曲線としかいいようがない。
<パレート最適との違い>
今回の記事のテーマである、非常識幸福度最適はパレート最適からヒントを得て思いついた概念であるが、実際のパレート最適は以下のような内容になっていると思われる。
1.消費者理論:消費者側がパレート最適な効率配分をしているとき
2.生産者理論:生産者側がパレート最適な効率配分をしているとき
これらの均衡の数式を元に解を求めてようやくパレート最適が求まるが、その計算は非常に複雑である。
非常識幸福度最適については、このパレート最適の消費者理論と生産者理論を混合させて取り扱っているようなイメージである。なぜなら、先ほどの事例で言えば、イベントAとイベントBの予算線は生産者理論で言えば等費用曲線の概念に似ている。主催者側がその費用の予算内においてどれだけの規模のイベントをそれぞれAとBに割り当てられるか?あるいは配分できるか?というイメージになるからである。また、無差別曲線について言えば、これは単純に世間がどちらのイベントを選んで参加するか?といった選好を表すからである。
そして、パレート最適のような複雑な生産者理論は関係しないため、生産の契約曲線や限界変形率といった概念もまったく検証する上では考えなくていい。
つまり、あくまで以下の式を肯定的非常識のカテゴリーに分類される項目ごとに繰り返し計算しすべて最適な解を導き出すことが正解となる。
予算線の傾き=非常識限界代替率=非常識限界効用の比率
-Pa/Pb=-db/da= MNCUa / MNCUb
これを繰り返し算出し、あらゆる肯定的非常識に分類される定性化された項目について洗い出し、この効率配分に沿ったイベントなどの実施を行うことによって世の中の非常識効用が最大化されると考えられる。
そして、最終的に以下のようになる。
非常識均衡における非常識効用最大化は最大限の制約なき非常識幸福度増大効果最大化がはかられるため、本来の意味での非常識幸福度最適となる。しかし、仮の非常識均衡における非常識効用最大化はその制約の下における非常識幸福度増大効果最大化となるため、非本来的の意味での非常識幸福度最適となる。
これはポイントについて記載した点と同じだが、どういう意味かというと以下のように解説できる。
- 非常識均衡はすでに常識と非常識の循環プロセスにおいて、世の中のサイクルが上手く回っている状態にある。だから、この状態で非常識効用最大化をはかれば、非常識幸福度増大効果最大化がはかられ、そしてそれはすなわち最大限の非常識幸福度最適となる。この最大限というのは実際に上限一杯の最大限という意味で、だから本来の意味での非常識幸福度最適となる。真の意味での非常識幸福度最適とも言える=真の非常識幸福度最適
- 仮の非常識均衡は常識と非常識の循環プロセスにおいて、世の中のサイクルが上手く回っていない状態である。だから、この状態で非常識効用最大化をはかれば、世の中の仕組みがうまく回っていないという制約の下で非常識幸福度増大効果最大化がはかられるだけである。だから、実際にはその制約の範囲内において非常識幸福度最適になる。だから、非本来的の意味での非常識幸福度最適となる。仮の意味での非常識幸福度最適とも言える=仮の非常識幸福度最適
※パレート最適の概念で言えば、真の非常識幸福度最適はパレート改善の余地がまったくない本当のパレート最適のような状態だと言える。つまり、非常識幸福度改善の余地がまったくないとも言える。そして、仮の非常識幸福度最適はパレート最適の概念で言えば、パレート改善の余地がまだあるような状態のため、非常識幸福度改善と言える。そしてこの状態は経済学で言えばパレート最適になっていないナッシュ均衡にも当てはまると考えられる。
つまり以下の表のようになる。
非常識超越平和理論 真の非常識幸福度最適 仮の非常識幸福度最適